「当日だけでなく、翌週まで…。こんな丁寧な御礼をしてもらったのは初めてだよ」とベテラン演出家らが口々に驚いていた。
実はそのPRの出演方法にも中居は強いこだわりを見せた。同番組内に度々入っていた街頭インタビューの中に中居がフレームインしてきてスタッフからインタビューを受け、『ATARU』のパンフレットなどをチラ見せするというもので、それは中居自身の提案だった。
その前に、『ATARU』の「チョコザイくん」のコスチュームで登場する…という案もあったと聞いていたが、結果、「フツーの通行人」としてフレームインするほうを選択した中居。
そのVTRは番組中、3チャンス流れたのだが、ちゃんと3回目にはオチも付いていて、中居の中で、構成がしっかり組み立てられていることがわかった。
「なんだか、(ビート)たけしさんみたい」という感想を多くのスタッフがもったことも憶えている
数年前から、「お笑い芸人さんは、本当にすごい」と芸人へのリスペクトを折に触れて語っていた中居。たけし、明石家さんま、そしてタモリというBIG3と、もっとも多く仕事をしたアイドルとしても、自身がMCを務める番組で中堅芸人らと度々絡んできたことでも、そういう気持ちになったのだろう。
明石家さんまはよく「毎回がオーディション」と言っている。1回、1回の出演で持っている力を最大限に発揮したり、結果を出したりができなければ、「もう次はない」という意味で、それは自身にも常に言い聞かせていることだ。
「毎回が真剣勝負」という芸人らの様子を目の当たりにした中居は、彼らに傾倒していくと同時に、彼らの勝負を盛り上げるべく、事前に準備をしたり、気遣ったりしている。もちろん、芸人だけでなく、レギュラーのタレントや女優、文化人らにも同様に接している。
そんな中居の人柄や言動に救われた共演者、多数。昨年で言えば、筆頭はベッキーだっただろう。中居のすごいところは、多くの言葉を使わずとも、その想いがタレントやスタッフに伝わることだろう。中居が最初に手を挙げたことで多数の同業者が後に続くケースを見ることも増えた。被災地の支援や、「パラリンピックのPは、SMAPのP」とのコメントで始まったパラリンピアンとの歩みなども同様だ。
中居に接した人たちの多くは彼を心から尊敬し、その人柄について語り合うことが去年は特に多かったように思う。
SMAPのリーダーとして、彼がどんな想いをしていたか。そのことも、実は多くのタレントやスタッフが目に、耳にしている。
だが、カメラが回っているときには、「おもろいほうを選択する」という明石家さんまのモットーを守っているかのように見える中居。
笑いの才能、芸能界での影響力、そして温かい人柄とマメ過ぎる言動で、あのBIG3と肩を並べるような存在となりつつある「中居さん」「中居くん」を「尊敬している」というタレントやスタッフが本当に増えている。