「僕を主人公に家族を描く映画を撮りたいと聞いて、それはもう、本当にうれしかったですよ。でも台本を読んだら青虫を触るシーンがあるんです。実は僕、虫が苦手。それで『これは絶対に無理だから』と最初に言いましたら、作り物にするという話になって。
ただ撮影が進むにつれて、『矢口監督が作り物を使うわけがない』と疑いが深まり出したんです。撮影日までスマホでアゲハの幼虫の写真を毎日見て、『カワイイぞ』と思えるくらいまで努力したんですよ。ところが、当日出されたのは僕の嫌いなシマシマの奴で(笑い)。もう、やりましたけどね」
善人も極悪人も、どんな役であっても「その人なりの人生が見えてきたときに、好きになってしまう」と話す小日向。だが、今回主演のオファーを受けたとき、「本当に自分でいいのかな」と不安がよぎったという。
「僕は脇役でも主役でもスタンスはまったく変わらず、同じように挑もうと思っていますから、監督からの要求に対して応える自信はありました。それよりも、興行的なことですよ(笑い)。僕の名前がキャストの最初に入ることによって興行的にどうなのかな? ということが一番心配でしたね」
『サバイバルファミリー』の父親は、宣伝活動でも大黒柱。昨年暮れから怒涛のプロモーションに東奔西走する。テレビとラジオへの出演だけでも20番組近く。「映画の宣伝でこれほど多くの番組に出るのは初めて」だそうだ。
だが、実はバラエティー番組やトーク番組が大の苦手と打ち明ける。