2つ目の狙いは、キャラとキャストの親近感アップ。ラストシーンからエンディングに切り替わった瞬間、「作中とは異なる姿を見せて、身近に感じてもらおう」としているのです。

 今期も、『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)のヒロイン・高梨あすか(西内まりや)がマネキン・チャレンジをしている主要キャラの間をいたずらっぽい笑顔で歩き、『バイプレーヤーズ』(東京テレビ系)のおじさん俳優たちがコタツの中で語る「バイプレトーク」は、ともに魅力十分。これまでも、『マルモのおきて』(フジテレビ系、2011年)の蘆田愛菜ちゃんと鈴木福くん、『民王』(テレビ朝日系、2015年)の遠藤憲一さんが踊る姿が、親近感を集めてきました。

 3つ目の狙いは、演出家の個性とスキルを見せること。エンディングにショートフィルムのような美しい映像を撮りたがる演出家は多く、言わば「本気を見せられるご褒美のような場」とも言えるのです。

 たとえば堤幸彦さんは、『TRICK』(テレビ朝日系、2000年)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系、2004年)、『H2~君といた日々』(TBS系、2005年)などのエンディングで、さまざまなコンセプトと撮影テクニックを見せてきました。

 その他で思い浮かぶのは、映写機風のカタカタと揺れる映像の『あぶない刑事』(日本テレビ系、1986年)、色気とユーモアを織り交ぜた『最高の離婚』(フジテレビ系、2013年)、企画・岩井俊二&監督・長澤雅彦のコンビが手がけた幻想的な『なぞの転校生』(テレビ東京系、2014年)などがあります。今期では、メインキャストの4人が歌う『カルテット』(TBS系)がこの系譜と言えるでしょう。

◆あの『半沢直樹』はエンディングなし

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