本誌でも何度か取り上げてきたが、「日経平均株価の動きをプロ野球チームにたとえてみる」という“修辞法” が「日経ヘイキンズ」だ。銘柄によってヘイキンズの成績への寄与度は異なり、現在の構成で寄与度が高いのは値嵩株の代表格といわれるファーストリテイリングだ。
しかし一方で、東証きっての値嵩株であるキーエンスや任天堂などがチーム構成から漏れていたことにこそ、ヘイキンズの弱点があるとの指摘もある。
「似たような選手ばかり支配下登録しているんです。現在の225選手の内訳をみると、電気機器28銘柄、自動車10銘柄、機械16銘柄、化学17銘柄、銀行11銘柄、食品11銘柄、非鉄・金属12銘柄と、7業種で105銘柄を占めている。同ポジションの選手ばかり抱えているようなもので、バランスの悪いチーム作りといわざるを得ません」(フィスコの株式・為替アナリストの田代昌之氏)
なぜそんなチーム構成になってしまったのか。証券アナリストの植木靖男氏が解説する。
「言葉は悪いですが、ロートル選手がずっと居座っていて、新しい選手が入る余地がないからです。ヘイキンズの225銘柄を見ると、いまだに昔ながらの重厚長大、製造業中心のチーム構成になっている。先進国ほどサービスや消費、観光などの産業が発展している。それなのにフロントは若手を獲ろうとしない」
そう指摘した上で、植木氏はこんな補強を提案する。
「例えばサービス産業でトップクラスのリクルートホールディングス。労働力不足が叫ばれる今、人材派遣が大きな作業になってきているので、テンプホールディングスもいい。観光・旅行業ナンバーワンのエイチ・アイ・エスなどは、ファンが加入を待ち望んでいる選手の代表格でしょう」
田代氏は、知名度より伸びしろを優先する視点が重要と指摘する。
「一般には名前に馴染みのない高卒ルーキーのような存在のほうが加入後に値上がりしてチームに勢いをつけてくれる。物色テーマのAI関連で、テクノスジャパンやFRONTEO、ブレインパッドなどは、今季は良い成績を上げることになると期待できます」
大胆なチーム改革が必要というわけだ。