スポーツ

稀勢の里が所属「ガチンコ変人部屋」の鉄の掟が凄すぎる

新横綱の所属は「変人部屋」?(日本相撲協会HPより)

 3月12日から開始する大相撲春場所では、新横綱・稀勢の里が2場所連続優勝に挑む。他の力士とつるむことを極度に嫌う「変人」と呼ばれてなお「ガチンコ」を貫くその“闘魂”はどこから来るのか。

 稀勢の里の師匠だった第59代横綱・隆の里(先代・鳴戸親方)は誰に対しても遠慮なく全力でぶつかるガチンコ相撲で横綱に昇進した。稀勢の里に徹底したガチンコ相撲を教え込んだのが先代・鳴戸親方である。稀勢の里は2002年春に中学3年で入門して以来、常識外れの指導を10年近く受けてきた。

 先代はとにかく稽古至上主義で、稀勢の里や現役時代の田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)らガチンコ力士が育った。その伝統は今、稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋に引き継がれているのだ。

 19年ぶりの日本出身横綱誕生をメディアはこぞって持ち上げた。祝福ムードの中で、稽古至上主義に緩みはないのか。ある二所ノ関一門の後援会関係者は「心配はない」と語る。

「横綱昇進を果たしたことで、各地から個人後援会を作りたいという話が持ち上がったのですが、稀勢の里は稽古の時間が減ることを理由に首を縦に振らないというんです。とくに7月場所に間に合わせたい名古屋の地元財界関係者からは、強い要望があったとされますが、稽古時間が優先されている。変人部屋ぶりは変わっていない」

 横綱・白鵬には地方場所が開催される3都市(大阪、名古屋、福岡)の他に北海道や徳島など全国10か所以上に個人後援会がある一方、稀勢の里は地元・牛久(茨城県)にあるくらいで、確かに対照的である。

 そうまでしてガチンコ稽古に邁進するのは、田子ノ浦親方にも稀勢の里にも先代・鳴戸親方が掲げた「鉄の掟」が染み込んでいるからだという。

「親方は一切妥協を許さない厳しい人だった。稀勢をはじめ部屋の力士たちには常にガチンコの姿勢を求め、手を緩めたように見える変な相撲を取って帰ってくると烈火の如く怒り、関取に対してでも竹刀を振り回したりした。それでも弟子たちが親方を尊敬していたのは、相撲への熱意が共有されていたから」(同前)

 2011年2月に八百長問題が発覚した際も、引退勧告などの処分を受けた力士25人のなかに鳴戸部屋の力士は一人もいなかった。当時、親方は他の部屋とは一線を画す反応を見せたという。

「鳴戸親方は、他の部屋同士の出稽古などの交流については“戦う相手に情が移る行動は慎むべき”といい、地方巡業でも“対戦相手と同じバスで移動するのはおかしい。協会はそこから見直すべき”といった主張だった。まるで自分の部屋以外の力士はみんな八百長といわんばかりの勢いだった」(協会関係者)

 まさに角界の異端児ともいえる存在だった。

関連記事

トピックス

ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
プーチンと面会で話題の安倍昭恵夫人 トー横キッズから「小池百合子」に間違われていた!
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン