そうやって1か月間、選手を見てきた金本監督は、今年の沖縄キャンプを「80点」と採点した。
「若い選手の底上げが少しずつできつつあるかなと思う。野手でいえば高山(俊)、北條(史也)、中谷(将大)が目立ったし、投手でいえば青柳(晃洋)や新人の小野(泰己)が大きい。戦力になってくれそうな感じがします。
その一方で、いざ実戦をやってみると内野の守備エラーやスローイングミスといったものも少なくない。外野の中継ミスもあるかな。守りというのは100%に近い状態に持っていかないと勝負になりません。あとは開幕までに(実戦を通じて)修正していくしかない」
中でも5年目の北條は、ベテランの鳥谷敬とショートの定位置を争っている。北條は金本監督の指導の下、精力的に筋力トレーニングに取り組み、昨年より体重を5キロ増やしてパワーアップ。2月25日には1983年のバース以来となる、オープン戦初戦で2本塁打を記録している。一方の鳥谷はサードかセカンドへのコンバートが濃厚とされたが、キャンプ前に、「ショートで勝負したい」と金本監督に直訴。意地を見せた。
「鳥谷の年齢的なもの、北條の成長を見て開幕までに判断しようと思っています。どちらも力のある選手なので、競争といえば競争だが、チーム構成のこともある。将来を考えて北條も育てないといけないですからね」
こうしたベテランと若手のバランスも課題の一つだ。野手では39歳の福留孝介に、オリックスからFAで獲得した35歳の糸井嘉男。投手陣ではエースの能見篤史が37歳、藤川球児は36歳になった。