特筆すべきは、ゴールデン進出の話を聞いた中居さんが生放送の提案をしたこと。中居さん自身、ゴールデンタイム用の調整だけでなく、生放送用の準備も必要になるなど、これまでのやり方から大幅に変えなければいけなくなるわけです。これまでの司会スタイルを捨てなければいけないため、「番組進行を仕切り、盛り上がりを作り、出演者をフォローする」など、中居さんにかかる負担は倍増するでしょう。
しかし、それこそが中居さんの真骨頂。昨年、渦中のベッキーさんにインタビューした『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)や、最近でもWBCの生中継リポートなど、中居さんは難しい状況のときほど真価を発揮します。
また、生放送で思い出されるのは、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の姿。芸人たち以上に番組を盛り上げ、タモリさんに変わってコーナーを仕切り、ゲストのフォローもするなど大活躍でした。生放送のレギュラー番組は、そのとき以来だそうですから楽しみです。
そもそも中居さんは、さまざまな場所で「少しでも面白いものを見てもらいたい」「先が予想できるものより、できないもののほうが面白い」と語ってきました。そんな姿勢はMCとしての地位を確立してからも、俳優として『ATARU』(TBS系)でサヴァン症候群の男性を、映画『私は貝になりたい』で死刑宣告される戦犯を演じたのを見ても分かります。
バラエティー番組に関しては、ひと通りのテクニックを身につけた今、慣れやマンネリを避ける上で、生放送は中居さんにとっても貴重なチャレンジの場になるでしょう。
◆中居とスタッフの覚悟と信頼関係