一方、中居さんの提案に応えたスタッフサイドの覚悟も素晴らしいものがあります。生放送は、スタッフとキャストの信頼関係が深く、コミュニケーションが活発でなければ実現できないもの。『ミになる図書館』は中居さんもスタッフも、「ずっとゴールデン進出を目指していた」という共通認識を持っていたなど、リスクよりもやりがい、不安よりも希望を見ているのは間違いありません。
現在の視聴者は厳しいように見えて、本当の意味で勝負している番組には優しいところがあります。もし生放送で勝負する『ミになる図書館』に何らかのアクシデントがあったとしても、視聴者が無制限に攻撃するとは思えませんし、批判が出ても同等以上の擁護が出るでしょう。
これまで同番組は、「美文字大辞典」「美デッサン大辞典」「1週間で資格取得」「号外スクープ狙います」などのオリジナリティあふれる企画を生み出してきました。生放送を提案した中居さんがアイディアマンであることも含め、今後は世代対抗クイズだけでなく、生放送のライブ感を生かした新企画も期待できそうです。
まずは生放送のクイズ番組として楽しむもよし、中居さんの司会ぶりや多彩なゲストを楽しむもよし。同番組が成功すれば、他局も追随して生放送のバラエティー番組を手がけそうですし、「テレビ番組の今後を占う」という意味でも注目してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。