トランプ政権の一貫しない外交に世界中が振り回されている。北朝鮮がミサイル発射を繰り返すなか、そのトランプ政権に頼る日本の安全保障政策は危険だと、ジャーナリストの落合信彦氏は指摘する。
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トランプ政権の外交政策での支離滅裂が凄まじい。つい最近、安倍(晋三首相)とゴルフ三昧の首脳会談を終えて「信頼関係」を築いたと語っていたが、その舌の根も乾かぬうちに、再び日本バッシングを始めているのだ。トランプの懐刀でアメリカ国家通商会議(NTC)のトップに指名されたピーター・ナヴァロは、3月の講演で次のように日本を批判した。
「日本からアメリカへの2日分の自動車輸出が、アメリカから日本への輸出の1年分より多い」
アメリカ車が消費者にとって魅力のない商品であることを棚に上げて、“日本はもっと車を輸入しろ”というのだ。何よりも、外交が一貫しない国は信頼されないということを、トランプは理解していないようだ。
トランプは当選直後に台湾総統の蔡英文と異例の電話会談をした。そのことは「1つの中国」と主張している習近平を揺さぶったが、今度は4月に仲良く米中首脳会談を行うというのである。
ビジネスの現場でカネのことばかり考えてきたトランプは、外交についてはまったくの素人だ。だからその場しのぎの外交を繰り出してくるのである。問題なのは、安倍が、そんな一貫しない国のトップを全面的に頼っていることだ。