ガチンコ横綱・稀勢の里の3場所連続優勝がかかる大相撲5月場所は、前売り券の「即完売」が大きく報じられた。しかし、完売したのはチケットのごく一部であることをご存じだろうか。伝統ある国技として運営されてきた大相撲の世界には、数々のマル秘ルールが存在する──。
◆5月場所のチケットは“完売”してない?
4月8日、大相撲5月場所の前売り券の発売日。両国国技館の窓口前には雨の中、正午の販売開始を待つファンが列をなしていたが、全員が“待ちぼうけ”を食った。同日午前10時からインターネットや電話などでの受け付けが先行して始まり、わずか1時間半で売り切れてしまったのだ。
衰えを知らない「稀勢の里フィーバー」を象徴する出来事として報じられたが、両国国技館は約1万1000人を収容する大施設だ。それなのに初日から千秋楽までの15日間の全座席が、たった1時間半で売り切れたというのだろうか。そうではない。
「ネットや電話、窓口を通じて協会が直接売りに出すのはチケット全体のおよそ3割とされています。今回報じられた“完売”は、その分が売り切れたということ。残りの7割は『相撲茶屋』に委託されて販売される。相撲観戦の代名詞ともいえる升席の1~8列目(マス席A)はほとんどが茶屋を通じて売られていきます」(協会関係者)