韓国大統領選は4月17日の公式選挙運動開始直後から、事実上の一騎打ちとなっている。「共に民主党」の文在寅氏(64)と「国民の党」の安哲秀氏(55)が火花を散らしているのだ。
韓国大統領選の名物は、激しいネガティブキャンペーンだ。在韓ジャーナリストの藤原修平氏がいう。
「今回の大統領選でも真偽不明の誹謗中傷が飛び交っています。安哲秀が暴力団員と一緒に写ったとされる写真までネットに出回っている」
産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏は、「これからの選挙戦でどんな不測の事態が起きるかは韓国のことだけに予想がつきませんが、やはり致命的なダメージになり得るのは、家族絡みの醜聞でしょう」と指摘する。家族を重視する儒教国家ならではの一幕だろう。
すでに話題にのぼっている案件でいえば、安氏夫人の裏口就職疑惑だ。夫人がソウル大医学部専任教授に採用された際に提出した書類に記された日付が、募集開始が公表されるより前のものだったために、「事前にコネによる採用が決まっていたのではないか」(在韓ジャーナリスト)とみられているのだ。