中国から入ってきて日本に浸透した文化のひとつに「食」が挙げられる。以来、独自の発展を遂げた「日本の中華料理」が持つ、本場の中華にない魅力を、芸能界きっての食通である中尾彬氏に聞いた。
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食いしん坊なので、年に1度はかみさん(池波志乃)を連れて、海外まで食道楽に出かけます。かみさんは中華料理が大好きなので、四川の本場・成都などをよく訪れますね。
ちょうど先日は4日間、台北を旅行しました。仕事ではなく、うまいものを食べるだけの旅。日本では1日2食だけど、旅行するときには事前にスケジュールを決めておいて、朝昼晩と3食きっちり食べます。余談だけど、おいしい店には必ずかみさんを連れていくべきです。
夫の満足げな食べっぷりを見た妻は「ウチの旦那はこういうのが好きなのか」と思い“らしきもの”を料理するようになる。すると男は食事を目当てにして、自宅に帰るようになるんです(笑)。
中華料理の魅力は四季感がなく、1年中同じ味を楽しめることです。旬の味覚が味わえる日本料理とは、また違った素晴らしさがある。中華は鍋で熱する料理が多く、全宇宙が鍋の中に入っているようなダイナミックさも大好きです。