誰しも「医療ミス」が起きやすい病院にはかかりたくない。医療ミスは医師個人の力量ではいかんともしがたい、医師にとって劣悪な職場環境など、構造的な問題から発生することが少なくない。そう考えた場合、患者が自衛意識を高め、劣悪な労働環境の「ブラック病院」を避けるしかない。ではどうすれば危ない病院を見分けられるのか。
病院に通う際、接する機会が多いのは「医師」だろう。ドクターの周辺を見渡せば、様々な判断材料が転がっている。
■「診療受付時間」が12時間以上
まず、病院にかかる前に患者自らが病院に問い合わせたり、ホームページを見るなどして判断できるのが診療受付時間だ。患者にとって診療受付が長い病院は、無用な混雑も減り、仕事前・後にも通院できるなど、時間の融通が利いてありがたいと重宝される。しかし、一方で医師の負担は大きく増す。
「スタッフ数にもよるが、診療受付時間が12時間を超えている病院は、医師の勤務体系が過労死基準を超えている可能性が高いと考えられる」(病院経営に詳しい医療サービスアドバイザー・武田哲男氏)
土日・夜間診療が加われば医師の負担はさらに大きくなる。日本の当直医は30時間連続勤務というケースも珍しくない。
「人間は24時間睡眠しないと、飲酒でほろ酔いになったのと同程度に判断力が低下します。この状態で医療行為を行なえば、当然ミスの可能性は高まります」(植山氏)