投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の5月29日~6月2日の動きを振り返りつつ、6月5日~6月9日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は大幅上昇。週末には2015年12月以来、約1年半ぶりに2万円の大台を回復した。週初は、米国、英国、中国が休場と、海外勢のフローが限られるなか、こう着感の強い相場展開が続いた。また、北朝鮮の地政学リスクも手掛けづらくさせたほか、メイ英首相は、欧州連合(EU)離脱交渉について、必要ならば合意なしに離脱する用意があると表明したことをマイナス材料として捉える動きもあった。これにより、日経平均は25日線までの調整をみせた。
しかし、6月に入ると機関投資家とみられる資金流入が活発となり、1日の日経平均は209円の上昇と、直近4日間の下落部分を吸収している。さらに週末の2日は300円を超える上昇で2万円を回復したが、米5月ADP雇用統計が予想を上回る内容だったことを受けて、週末の米雇用統計への期待も高まる格好となった。
意外とあっさり2万円を回復した印象である。米雇用統計への期待から先回り的な動きもあったとみられるが、もち合いレンジを超えてきたことから、ショートカバーを誘う流れにもなったようだ。また、1日を通じて上昇が続いており、機関投資家による債券から株式への資産シフトも強まったようにみられる。