加齢とともに生じる膝や腰の痛みで、“歩きたくても歩けない”という状態に陥ってしまう人は少なくない。その悩みを解消するためのカギは「股関節」にあるという──。
「股関節は身体の中で最も大きく、最も酷使されている関節です。立つ、座る、そして歩くといった日常生活のあらゆる動作において、大きな負担を受け止める“要”の役割を担う。だからこそ股関節を健康に保つことが大切なのです」
そう話すのは、石部基実クリニック院長の石部基実氏だ。石部氏は2月に刊行された話題書『健脚寿命を延ばして一生歩ける体をつくる!』の著者で、現役医師である(以下「」内は石部氏)。
年間600人以上の手術を担当し、“股関節のスーパードクター”の異名を持つ石部氏は、その経験から「人間は股関節から老いる」と実感している。
「股関節を痛めたり、そのままの状態を放置したりしていると、膝や腰といった別の関節に負荷がかかり、痛みの原因になる。そうした悪循環に陥っている場合、原因が股関節にあるので、いくら膝や腰の治療をしても痛みが治まらないという事態を招いてしまう」