ビジネス

JT加熱式たばこ 無臭にこだわり続けた開発苦労は報われるか

JTの加熱式たばこ「Ploom TECH」

 受動喫煙防止の観点から、煙たがられる一方のスモーカー。だが、そんな肩身の狭い愛煙家の強い味方になりつつあるのが、火を使わず煙も少ない「加熱式たばこ」だ。

 ここわずか1年ほどの間に、従来の紙巻たばこから加熱式に乗り換えた喫煙者が急増。たばこ市場全体に占める加熱式たばこのシェアは15%を超え、2020年には30%になるとの予測もある。

 普及の先駆けとなったのは、米フィリップ・モリスが2016年4月から日本で発売した『IQOS(アイコス)』である。

 同社は専用たばこの葉を燃やさずに電気で高温加熱し、発生した蒸気を吸い込む方式を開発。ニコチンは含有しているものの、燃やさないことで発生する有害性成分の9割削減に成功したと発表。「たばこはやめたくないが、煙で周囲に迷惑もかけたくない」という喫煙者の悩みを見事に解消させた。

 一方、アイコスに負けじとオンラインを主体に販売拡大中なのが、日本たばこ産業(JT)の加熱式たばこ『Ploom TECH(プルーム・テック)』である。

 プルーム・テックはすでに昨年3月より福岡市限定で発売されていたが、注文が殺到。あまりの反響の大きさに生産が追い付かず、一旦販売中止となっていた。そして、ようやく満を持して東京での拡販にこぎつけた。新宿と銀座の大都市ではプルーム・テックが体感できる専門店をオープンさせ、連日、加熱式たばこに興味津々のスモーカーたちで賑わっている。

 それほど注目を浴びるプルーム・テックとはどんなたばこなのか。JTたばこ事業本部の担当者である高橋正尚氏(EPマーケティング部次長)が説明する。

「プルーム・テックは加熱式たばこの括りには入りますが、たばこの葉を直接高温で加熱しているわけではありません。

 カートリッジ内にあるリキッドを熱し、その際に出た蒸気をたばこ葉の詰まった専用カプセルを通して使用する「低温加熱方式」の仕組みになっています。言ってみれば、下から蒸気を通して中の成分だけを抽出するアロマオイルみたいなもの。味わいは水出しコーヒーのイメージといったら分かりやすいかもしれません」

 たばこの葉を直接高温で加熱するアイコスと違い、プルーム・テックは低温加熱方式のため、においの発生を大幅に減少させているのが最大の特徴といえる。JTの調べでは紙巻きたばこの煙のにおいの濃さを100%とすると、プルーム・テックはわずか0.2%以下。実際、高橋氏に目の前で吸ってもらったが、臭覚を研ぎ澄ませてもまったくにおいを感じないレベルだ。

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン