毎週、高い視聴率を記録している、マツコ・デラックスがMCを務める人気番組『マツコの知らない世界』(TBS系)。この番組では毎回、さまざまなジャンルが取り上げられるが、データニュース社が運営する視聴状況調査「テレビウォッチャー」で、この番組で高い満足度を記録するジャンルは、食べ物をテーマにした企画であることがわかった。「テレビウォッチャー」主任研究員の大石庸平さんがその背景について解説する。
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『マツコの知らない世界』で密かに注目しているのがマツコの“食べる・食べない問題”だ。
この番組は司会のマツコへ特定のジャンルに特化した人がその知られざる世界をプレゼンするというトークバラエティー。だが今年の放送(1月10日~8月29日放送分)では、27回中20回も食品を扱う回が占めたように、最近ではマツコに“知られざる食の世界”を紹介する番組と化している。理由は好評だからに他ならず、その傾向はデータにもはっきりと表れている。
テレビ番組の“満足度”を調査しているデータニュース社のテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」によると、昨年の同番組で最も満足度が高かった回は「冷凍食品の世界」で3.94(5段階評価、高満足度の基準は3.7以上)。以下2位「ポテトサラダ」3.90、同率3位「カレーパン」「いなりずし」3.89、5位「イチゴ」3.86とベスト5全てが食べる回。
毎回ほぼ2~3個のテーマで進行している為、ベスト5全てに食べ物が入っているのは不思議ではないのだが、ワースト回をみると最下位は「Googleマップ&ゾンビの世界」の3.39と、2本立てでニッチな世界を紹介した回は極端に満足度を下げており、以下「スーパー銭湯&人生ゲーム」3.43、「心霊ビジネス&ビーチサンダル」3.51、「ユザワヤ&号外」「羽田空港&風鈴」3.52、とワースト6位まで全て食べない回で占められている。それは視聴者がマツコの食べない回に満足していない=食べてほしいと願っている証拠だろう。今年に入ってからの満足度も“食べる回”の平均が3.70と高満足度の基準に達しているのに対し、“食べない回”は3.64と差が生じている。
◆「マツコがおいしそうに食べると幸せな気分に」という声も