スポーツ

37歳で旅立った時天空と少年ファンの笑顔の思い出

通路まで満員になった大相撲KITTE場所

 相撲ブームが沸騰している。「謎のスー女」こと相撲女子の尾崎しのぶ氏が、現在相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は悪性リンパ腫により37歳で旅立った時天空について尾崎氏が綴る。

 * * *
 今年も大盛況だった夏巡業「大相撲KITTE場所」。東京駅丸の内南口を出たところにある、日本郵便が経営する商業ビルKITTE(東京中央郵便局)で開催される興行で、初開催は、二〇一五年八月二十九日だった。土俵近くの観覧席への入場にはKITTE内ショップで買い物・応募し、抽選に当選して得たチケットが要るが、吹き抜けの構造なので会場のアトリウムを二階から五階の通路より見下ろせる、はずだったのだが……。

 抽選にはずれた私が十一時過ぎに行くと、通路にはすでに人垣ができていて大にぎわい。自分のとろさにがっかりする。相撲人気をなめていた。すき間をさがして二階から五階をドタバタ走り回るが、ない。あきらめて、会場をのぞめない六階のレストランフロアの椅子に座っていた。そこでまさかの、力士との一番の接近があった。

 お腹の大きい女性と、四歳か五歳に見える少年がいた。「あ、ママ! あの人だ!」と少年はさけび、母親にぶつかっていった。突進の後、母親の脚にグイグイ脚をからめている。身重のお母さんになんてことしてるんだ。心配に及ばず、母は強し。少年の相撲遊びには付き合い慣れているらしく、どっしりと立っている。

 そこに、出番を前にレストランで昼食を摂っていたのだろう「あの人」が歩み寄ってきた。そして少年の目の高さまでかがんで、肩を撫でながら言った。

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン