NHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』。初回視聴率20.8%という好発進で、注目も集まっている。そんな『わろてんか』を一層楽しむための豆知識を紹介する。
第3話のお祭りの日、ヒロインのてん(葵わかな、子役時代は新井美羽)と旅芸人の藤吉(松坂桃李)は初めて出会い、藤吉はてんに鳥のモチーフの根付け(ストラップ)をプレゼントする。
「根付けに限らず、かんざし、衣装、ふすまなど、至る所に鳥をちりばめています。鳥をセットや小道具のモチーフにしようと考えたきっかけは、後にてんが経営する寄席の名前が『風鳥亭』だからです。てんと藤吉が寄席の名前をつける際、思い出の“鳥”の根付けからヒントを得たという設定になっているのですが、実はこれは、美術スタッフのアイディアを脚本に生かしてもらったところなんです」(編成部映像デザイン・山内浩幹さん)
てんの実家である藤岡家は、老舗の薬問屋。藤岡家の中をよく見てみると、床の間に掛け軸が飾ってある。この掛け軸に描かれているのは、古代中国の伝説に登場する医薬と農業の神様である“神農”だ。
「明治時代の薬屋を取材したり、博物館に行くと、必ずこの神農が祀られていたんです。その神農を見ていたら、どことなく(ヒロインの父親役の)遠藤憲一さんに似ているように感じてました。そこで藤岡家にかけられている掛け軸の絵は、遠藤さんに似せて美術スタッフが書きました」(山内さん)
風太役の濱田岳にまつわる小道具にも注目したい。
「濱田さんといえば、某CMの金ちゃんですよね。細かすぎてわからないかもしれませんが、金太郎にちなんだ小物が登場するはず…」(山内さん)
◆千葉雄大の2つのぬるま湯
『わろてんか』の撮影現場は「温泉みたいにあたたかい」と語るのは、てんの兄・新一を演じる千葉雄大(28才)だ。意外にも、本作が朝ドラ初出演。
「遠藤さんは撮影の合間に気さくにお話ししてくださる。遠藤さんがぼくの年齢だった時の話を聞いたりして、とても勉強になります。鈴木(保奈美)さんはいつでも穏やかでマイナスイオンが出ているみたい。見ているこちらもにこやかになります。