「カミナリ」とは、自然に発生する雷ではない。ここでは「戦争」という意味で捉えて欲しい。

 北朝鮮とアメリカが戦火を交える可能性が高まっている。北のあの太った指導者が核やICBMの開発をあきらめるとは思えない。一方、アメリカのトランプ大統領はこれまで北に対しては何もしなかった前任のオバマ大統領の施策を激しく非難してきた。この流れから行くと、いずれは何らかの軍事的な解決が図られることになりそうだ。

 そうなった時に、日本の不動産市場はどうなるのか?

 まず、いいことは何もないはずだ。東日本大震災の直後は、約半年ほど不動産市場は開店休業状態だった。大きな取引はないし、新築マンションはどこも販売休止。中古市場もほとんど動かなかった。当然、価格は上がろうはずがない。しかし、それは湾岸のタワーマンションならずとも、日本の不動産市場全体にいえること。

 今回、私が恐れるのは北の指導者も言及した、高高度核爆発による電磁パルス攻撃。これはまさに雷を落とした状態になるという。仮に東京の上空で核爆弾を爆発させると、その直下の広い地域に存在する電子回路がほとんど破壊されるそうだ。

 当然、電子回路を備えたあらゆる電機器具、機械は使用不能となる。エレベーターも停止するはずだ。

 戸建て住宅やマンションの低層階に住んでいれば、電気や水道が来なくてもそこに居続けることはできる。トラックに積まれた救援物資が近くまで運ばれてくれば、取りに行けばいい。自衛隊がお風呂やシャワーを仮設してくれれば、出かけて行って使わせてもらえばいい。しかし、タワーマンションの20階に住んでいる人はどうなるのか?

 東日本大震災の時に、とある高齢者が多く住んでいた8階建てのマンションでは、敷地内にテントを張って住民の多くがそこでインフラが回復するまでの数日を過ごしたという。3月の中旬はまだ寒かったことだろう。高齢者にとっては階段を5階分行き来することさえ困難なのだ。

 タワーマンションはエレベーターが動かなければ、人が居続けることさえできない住形態だ。さらに、都心からいくつもの河川や運河に隔てられた湾岸エリアでは、救援の手が届くにも時間がかかるはずだ。

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