経営状態に疑問を感じる点が出てきた場合は、施設の収支構造をチェックするという考え方もある。
「確認すべきは、施設の立地に対して毎月の利用料が“安すぎないか”という点です。有料老人ホームでは、介護事業者が土地を借りて施設を運営していることがほとんど。事業者は入居者の月々の利用料から、土地のオーナーに払う地代を捻出しているわけです。
近隣の施設の入居費用はネット検索で調べられますから、利用料があまりに割安であれば、無理して地代を捻出する歪んだ経営構造になっている可能性があります。本当は、そうした点を施設選びの際に調べたほうがいいのですが……」(佐藤氏)
実際、入居してからホームの経営に疑問を抱いたとしても、打てる手は少ない。さらなる出費を覚悟してホームを移るか、倒産を見据えて転居先探しを進めておくことくらいしかできないのが現実だ。
※週刊ポスト2017年11月10日号