骨が脆くなると、骨折や骨粗鬆症により、転倒や寝たきりになるリスクがあることは昔から知られているが、それだけでなく骨ホルモンの減少に伴い、生活習慣病や認知症のリスクも増加してしまうというのである。
健康寿命に重大な影響をもたらす骨ホルモンの減少を食い止めるためには、新しい骨を形成し、骨ホルモンを分泌する「骨芽細胞」を刺激することが重要だと考えられている。
「骨に負荷がかかると、その力に耐えられるように骨芽細胞が活発化し、骨質の改善と骨量の増加をめざして働き始めます。骨芽細胞が活発化することで、オステオカルシンの分泌量も増加します」(同前)
骨芽細胞に刺激を与えるための運動として、平田氏が推奨するのが「かかと落とし」と「ミニジャンプ」の2つだ。
「かかと落とし」は、直立した姿勢でつま先立ちになり、両脚のかかとを上げ下げする。「ミニジャンプ」は、高さ10cmほどの台から両脚ですとんと降りて着地することを繰り返す。どちらも至ってシンプルな運動である。
「両方とも小人数の実験ながら、それぞれ1日30回と50回を2週間継続して行なうことでオステオカルシン量が増加する傾向がみられました。個人差はあるものの、継続することでオステオカルシン量の現状維持、あるいは微増が期待できます」(同前)
※週刊ポスト2017年12月15日号