「最初は書籍のネット通販から始まったアマゾンも、気付けばおもちゃや家電などいろいろな分野に進出し、そのたびに既存の関連企業の経営を脅かしてきました。現にアメリカではアマゾンの影響で大手家電量販店が衰退したり、トイザらスを倒産に追い込んだりといった“流通破壊”が起こっています。
そして、今年は米食品スーパーのホールフーズ・マーケットを買収し、日本では一部で野菜や肉、魚、果物など生鮮食品のネット販売(アマゾンフレッシュ)も始めています。イオンだけでなく、日本の流通業全体が、急いで対抗策を打ちださなければアマゾン旋風になぎ倒されてしまうという危機感を抱いているのです」
巨艦イオンが売上高10兆円の大台に乗せられるかどうかは、デジタル化の成否にかかっているといえる。ライバルのセブン&アイ・ホールディングスもアスクルと共同で生鮮食品を売る新業態EC「IYフレッシュ」をスタートさせている。
次代を牽引する小売業の“脱店舗戦略”は加速度を増している。