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若者の外出離れ 実に憂うべきデータだと大前研一氏

若者の内向き志向を大前研一氏が分析

 海外のどこへ行っても日本からの観光客に出会うが、その多くはシニア世代だ。では、若者たちはどこへ出かけているのか。経営コンサルタントの大前研一氏が、若者世代の行動や生態を示す調査結果から、なぜそのような選択をしているのかについて考えた。

 * * *
 このところ、日本の若者の行動や生態に関する非常に象徴的な調査結果が相次いでいる。

 たとえば、ジェイアール東日本企画の「Move実態調査2017」によると、「1か月あたりの移動回数」は20代が37.3回で、70代の40.8回をも下回り、全年代中で最低だった。20代は高齢世代よりも外出に消極的で、単純計算では1日に1.2回しか移動していないことになる。「家にいるのが好き」「自分はどちらかと言えば“ひきこもり”だと思う」「外出しないでいいならなるべく家にいたい」といった設問に対して「非常にそう思う」と答えた人の割合も20代が最も多かったという。

 また、国土交通省の「2015年度全国都市交通特性調査」でも、20代の休日の外出回数は1日あたり1.43回で、70代の1.60回を下回り、とくに20代男性は1.24回で、調査を開始した1987年から約30年でほぼ半減した。

 これらは実に憂うべきデータだと思う。もともと近年は「イオニスト」や「ららぽーたー」など、いつも地元のショッピングモールに行き、そこ1か所で日々の暮らしを完結させる若者の増加が話題になっていた。イオニストは「ABCマート」「しまむら」「ニトリ」などイオンモールに出店している店で収入の48%を使うというデータもある。

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