一方、これまで日本人は前述したように新品を崇拝してきたわけだが、ほぼ20年間にわたって給料が上がっていないこともあり、近年は新品にこだわって見栄を張るより、割安な中古品を活用しながらより良い生活をしよう、という欧米先進国型の価値観に“進化”しつつあるのだ。
さらに、あまり使わないものは押し入れに入れておくよりもキャッシュに換えよう、という心境の変化が明確に起きている。
◆次の進化はモバイル決済?
そして、そういう変化はネットを中心に様々なサービスへと拡大している。
たとえば、女性たちが海外ファッション通販サイト「バイマ(BUYMA)」などでブランド品を買う場合、割引率が低い最新作より割引率が高い定番商品を購入する人が多いという。なぜなら、定番商品は1年後、2年後にフリマサイトやオークションサイトで売る時に確実に売れるし、安く買ったぶん、あまり損をせずに売り抜けることができるからだ。
つまり、フリマでの売却価格を考えて、購入するブランドとモデルを選ぶようになったのである。
また、ファッションレンタルサービス「エアークローゼット」は、月額6800円で有名ブランドのファッションが月1回3着借りられる。返却すれば何度でも3着送られてくるレンタル回数無制限のコースは月額9800円だ。しかも服はプロのスタイリストがコーディネートしてくれる。そういう「所有から利用へ」のシェアリングエコノミー(共有型経済)が、どんどん拡大しているのだ。