今年、一人あたり30万円のお年玉を配った組織があった。当事者たちに感想を聞いてみると、「俺らが運んだ上納金の一部がキャッシュバックされてるだけで、少しも嬉しくない」と冷めていた。実際、この組織は会費が高いことで有名である。特別な者にだけ、お年玉を配っている組織もあった。
「若い衆全員に配るわけにはいかないけど、還暦を迎える者と、前年に頑張った数人だけ、多めのお年玉を渡している。具体的にいくらかって? それは想像にお任せする」(三次団体組員)
粘って質問を続けたところ、どうやら10万円らしい。該当者が10人いれば100万円だから、結構な出費だ。
“現物”を配る組織もあった。
「お年玉代わりといっちゃなんだが、全員に餅を配っている」(二次団体幹部)
なかには車をプレゼントする親分がいた。3年に1度の車検のタイミングで新車に乗り換える際、古い車をお年玉として若い衆に譲るのだ。お下がりとはいえ、親分の愛車だから高級車だ。しかし、当事者たちの評判は芳しくない。
「車をもらったら、必ず乗らなくてはいけなくなる。気に入らない、趣味に合わないから売るということもできない」(別の三次団体組員)
景気の悪いここ数年、親分も車検の度に乗り換えることができなくなり、その習慣も途絶えた。今は組の新年会で、ポチ袋に入った現金がもらえるのだという。