日本ではPKOというと右か左で議論されがちですが、放送後は『現場の実態が初めて分かった』と右の人も左の人も意見を寄せてくれました。危険性も含めて率直に議論し、事実を検証することが、メディアを含めて我々日本人に問われていることだと思います」
各国が詳細な検証報告を編む中、日本では箝口令がしかれたかのように時だけが過ぎた。その23年間の重さについて今一度考えるためにも、番組及びこの労作に関わった全ての人に感謝したい、全国民必読の書だ。
【プロフィール】はたて・けいすけ/1979年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒。NHK入局後、福岡局、報道局社会番組部、大型企画開発センターを経て、2015年より大阪局報道部ディレクター。2016年8月放送の「ある文民警察官の死~カンボジアPKO 23年目の告白~」は文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞、ギャラクシー賞大賞、放送文化基金賞最優秀賞等を数々受賞。「執筆を任せられたのはチームの中で一番年下だったからです(笑い)」。170cm、72kg、B型。
■構成/橋本紀子 ■撮影/国府田利光
※週刊ポスト2018年2月2日号