◆お友達政治家の光と陰
安倍首相が更迭するか、それとも守るのか。次の人事の焦点は側近の加藤勝信・厚労相だ。
国会では厚労省の裁量労働制をめぐる“捏造データ”問題で首相は謝罪に追い込まれ、「担当大臣は厚労相だ。私が全部詳細を知っているわけではない」と加藤氏に責任を転嫁した。前回の内閣改造でNAISと呼ばれた盟友、石原伸晃・前経済再生相、塩崎恭久・前厚労相を交代させただけに、加藤氏の首筋は寒いはずだ。
だが、「加藤更迭はない」と見るのは前出の有馬氏。
「安倍総理の母の洋子夫人と加藤氏の義母・睦子さんはかつて派閥婦人会の会長、副会長を務めた大の仲良しで、両家はいまも家族ぐるみの付き合いです。石原、塩崎両氏は総理にとってライバルでもあったから使えないと判断すれば簡単に切り捨てたが、加藤氏は親族扱いだから最後まで守るでしょう」
◆モリカケ問題で塀の外と内
その意味でもう一人“安倍ファミリー”扱いが加計学園理事長の加計孝太郎氏。「安倍シンパ」から公然と批判に転じた森友学園の籠池泰典氏は逮捕されて獄中にあるのに対して、加計学園はいよいよこの4月に念願の獣医学部を開校する。
口をつぐみ逃げ通した加計氏と、喋りすぎた籠池氏の差が出たと見られる。
永田町サバイバルゲームの処生術は、“いかに安倍首相のポチに徹するか”という軽薄な競い合いだった。
※週刊ポスト2018年3月9日号