「今は楽しみの方が多いですね。不安はありません。どういう風にピースをはめていこうか試行錯誤している段階。キャンプを通して選手がどう仕上がってくれるのかを楽しみにしています」
千葉ロッテマリーンズの春季キャンプ初日。例年以上の70名を超す報道陣が詰めかけた石垣島で、今季からチームを率いる井口資仁監督(43)はいつもの爽やかな口調で自信満々に語った。
昨年10月の新監督就任発表後、すぐにコーチ人事に着手。現役時代から「いつか自分がチームを率いる立場になったらこの人と」と考えていた今岡真訪・二軍監督と、鳥越裕介・ヘッド兼内野守備走塁コーチを招聘した。
「同い年でもある今岡は、野球界で最も信頼する人物。二軍の改革には彼の力が必要だった。鳥越さんは自分で電話をして『一緒にホークスを倒すチームを作りましょう』と口説きました」
秋季キャンプでは一軍と二軍の枠を撤廃し指導法を一貫。同時に、すべての選手にレギュラー奪取の可能性を与え、やる気を引き出した。また昨年まで鈴木大地に任せていたキャプテン制をあえて廃止。選手に自立を促した。
「これからオープン戦が進み、一軍と二軍の枠が新たに出来上がったら、今度は明確な待遇の差をつけます。今岡二軍監督には、『ここにはいたくない』と思うような環境を作ってもらう。そして開幕スタメンに選んだ選手は、レギュラーとして信頼して起用し続ける方針です。またホームランの出にくいホームスタジアムの特性を考慮し、走塁に重点を置く。すべての二塁打を三塁打にするような積極的な走塁です」