厚生労働省の「高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」がまとめた指針案では、「高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意点」と題して、注意を要する薬剤39種とその副作用などが示された。この情報をどのように活用すべきなのか。ワーキンググループ構成員の、たかせクリニック理事長の高瀬義昌氏が説明する。
「高齢者に広く使われている薬について、“この部分は注意しましょう”という見解をまとめました。これまで老年医学会が同様の試みをしたことがありますが、今回は厚労省主導で様々な学会を横断的に見て作成した。薬の評価は学会ごとに見解が異なるためとりまとめは難しいのですが、今回はそこに踏み込んだ内容になっています」
高瀬氏は公表されたリストはあくまで薬剤についての留意点であり、「服用を中止すべき薬」ではないとする。
ただ、高齢者ほど慎重に薬を服用すべきであることは間違いない。薬剤師の堀美智子氏は「今回のリストを参考にして、一人ひとりが薬の知識を高めることが肝心」としている。
◆認知機能の悪化・せん妄のリスク
催眠鎮静薬・抗不安薬について、堀氏が解説する。