投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の3月5日~3月9日の動きを振り返りつつ、3月12日~3月16日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。週末には一時21800円を超えて、25日線を捉える局面もみられた。週初はトランプ米大統領による保護主義政策への警戒感から売り優勢の相場展開となるなか、一時20937.26円まで下げ幅を広げており、VIXショックで下落した2月半ばに付けた安値を下回る局面もみられた。ただし、ダブル・ボトム形成が意識されるなか、その後は底堅さが意識され、次第に出直り基調に向かっている。ただし、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、積極的な売買は手控え、先物主導のインデックス売買に振らされる相場展開が続いた。
週半ばにはコーン米国家経済会議委員長が辞任する意向と各メディアが伝え、円相場は1ドル105円台半ばへと円高に振れて推移するなか、その翌日にはロス商務長官が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し次第で、カナダ、メキシコへの関税措置を適用除外とする可能性に言及するなど、通商問題に絡んだ報道等に振らされる状況。週末に注目されていたトランプ米大統領による関税計画の詳細発表では、カナダとメキシコへの関税適用を除外し、他の同盟国にも交渉余地を残すことが明らかとなった。既に報道されていたことではあるが、一先ず貿易戦争への警戒感が和らいだ。
さらに北朝鮮の金正恩委員長はトランプ米大統領に早期の会談を要請し、トランプ大統領は5月までに会談すると応じたと報じられたことを受けて急動意をみせ、一時21884.45円まで上げ幅を拡大させる場面をみせている。ただ、その後先物主導で急速に値を消す流れから21400円を割り込む場面もあり、値動きの荒い展開となった。
今週は米雇用統計の結果を受けた海外市場の動向に振らされる格好となろうが、いずれにせよ米利上げペースの加速への思惑が後退するとは考えづらく、市場反応も限られそうである。日銀は金融政策決定会合で短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。これ自体はサプライズはなし。