借金をきっかけに転落する人は後を絶たない。なかには本来、自分が支払う必要のない借金を押し付けられ、その返済に窮して人生を台無しにしている人も少なくない。堀江貴文氏は、そうした人たちの多くは「マジメ」な人なのではないか、と分析する。
堀江氏が最新刊『属さない勇気』で解説している、働き方や生き方の未来についての新たな提言を短期集中連載。第3回は、なぜマジメな人間は、必ずしも幸せにはなれないのかを解説する。そこには戦後の義務教育が及ぼしている問題も横たわっているという。
* * *
社会人が苦境に立たされるパターンで、最も多いのはカネにまつわる問題だ。仕事や人生の悩みとかいうのも、よくよく突き詰めていくと、カネへの執着が根本に横たわっているケースが多い。
借金が悪いと言っているわけではない。返せるアテがあれば何とかなる。しかし、アテがない人は、詐欺じみた違法まがいなことに手を染めたり、ややリスクの高い身体を張った仕事をしたりして、手っ取り早くカネを稼ごうとする。
これが転落の始まりだ。例えば、あれだけ問題視されたにもかかわらず、ホストにハマって掛け金が払えず、風俗店で働く女性の話は、いまもよく聞く。私の周りにも、何人かいる。
郊外に行くと、少し事情が変わる。一例として、出勤中、車でガードレールにぶつかり、その修理代を100万円ぐらい請求されて、支払うために風俗店で働いているOLの話を聞いた。
また東日本大震災の被災地では、地震で実家の屋根瓦がすべて落ち、怪しい瓦業者のローンに騙されて、300万円近い借金を抱えてしまった女性もいた。彼女はその返済のため、デリヘルで働く。