また、主人公が圧倒的に不利な状況で戦うことも共通点。その目的は必ず、「誰かを守るため」と決まっている。曇天火も風魔に捕まった弟を救うべく、とんでもない人数相手に鉄扇ひとつで突進していく。多勢に無勢。これは時代劇ヒーローのお約束でもあるのだが、ノーちょんまげ作品でもしっかり踏襲されているのは面白い。
さらにノーちょんまげ作品のポイントは、和装、洋装どっちもオッケーというところ。『曇天に笑う』も天火は白い着流し、弟の空丸(中山)は忍者風、精鋭部隊は洋装の軍服で勢ぞろい。「昔」も「歴史」も感じさせないコスプレ的要素が画面にあふれる。出演者がほぼ全員二枚目男と振り切ったキャスティングで、ノーちょんまげの王道を行く。
身分制度も取っ払われ、混沌とした時代だからこそ、なんでもアリ。大河ドラマ『西郷どん』もほどなく明治時代に突入する。ザンギリ頭の西郷どんも苦労が続く。明治維新150年の今年、まだまだノーちょんまげの人物の動向に注目が集まりそうだ。