「(年寄総会では)これまでの私の行動によって協会にご迷惑をおかけしたことをお詫びしました。深く反省しております」
そう反省の弁を述べた上で、内閣府への告発状を取り下げたことを認めた。昨年11月に元日馬富士による暴行事件が発覚して以降、協会と真っ向対立を続けてきた貴乃花親方が、「一兵卒として出直す」と“完全降伏”したわけだ。
ただ、これにより難しくなったのが貴乃花親方の「処遇」だった。告発状提出直後には、春場所会場に姿を見せない“欠勤”を理由に、事実上の解雇にあたる「契約解除」を通告すべきという声まであがっていた。
◆“全面降伏”がもたらしたもの
「とりわけ強硬だったのは二所ノ関一門でした。貴乃花親方は2010年理事選の際の“候補者調整”に反発し、二所ノ関一門を割って理事に当選した経緯がある。二所ノ関一門の親方衆にとっては仇敵を角界から追放する好機に映ったはずです」(ベテラン記者)
実際、年寄総会後に会見した年寄会副会長の中で、二所ノ関一門の高田川親方(元関脇・安芸乃島)は貴乃花親方の処分について、「一門内では契約解除にあたるような違反を6個も7個もしているので契約解除が妥当という声もあった」と“貴乃花解雇”の意見の存在を認めている。