投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の4月2日~4月6日の動きを振り返りつつ、4月9日~4月13日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。米国市場ではNYダウが、米中貿易摩擦に関連するトランプ大統領や政府高官の発言に左右されながらも週初安を跳ね返す強い動きがみられた。アマゾンやフェイスブックなど売り込まれていた銘柄が買い戻されたことも心理的にプラスに働いた。一方、日経平均は日銀が2日発表した3月全国企業短期経済観測調査(短観)を受けて、週前半は売り物が先行して軟調な地合いに終止した。業況判断DIが大企業・製造業で2年ぶり、同非製造業で1年半ぶりの悪化となった。人手不足、原材料高、為替の円高から企業の景気に対する慎重な見方につながっている。しかし、大企業・全産業の2018年度設備投資計画は前年比2.3%増と明るい要因もあって、日経平均の調整は小幅にとどまった。
米国市場でハイテク株に買い戻しの動きが広がったことを受けた4日、日経平均は3日ぶり反発し、5日は米中の貿易摩擦激化への懸念後退と、一時107円台と3月13日以来のドル高・円安水準を受けて日経平均は21700円台に続伸した。週末6日は米トランプ大統領による中国制裁関税の1000億ドル積み増しの検討報道を受けて上値が抑えられた。米国3月雇用統計の発表を控えた手控えムードもあったが、大きく売り込む動きもなく、日経平均は前日終値をはさんだもみ合いの中、3日ぶりの反落で週末の取引を終えた。
結果的に底堅い動きをみせた先週の日経平均だが、今週も貿易摩擦に対する米国要人の発言に伴う米国株式市場と為替の動向に影響を受ける展開が予想される。フェイスブックなどソーシャルメディアが抱える問題は、東京市場へは限定的だが、米国市場が荒れると影響も出てくる。貿易問題を抱えた安倍晋三首相の17日からの訪米を控えていることも手控え要因として働く可能性もあり、積極的な買い材料が見当たらず、出来高が減少傾向となる可能性はある。