ただ、テクニカルと需給の両面では相場を陽転させる明るいデータも出てきた。日経平均のチャートは、5日に上値の抵抗ラインであった25日線を明確に抜け、5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスを示現した。週末は一服したものの、テクニカル的には、2万2000円や75日線が意識される一段上の戻り波動に入った格好となっている。
また、3月第4週の投資主体別売買動向では、引き続き、海外投資家は12週連続の売り越しだったものの、現物ベースで見ると12週ぶりに小幅ながらも買い越して変化の兆しが見えている。3月第4週の外国人は、先物を合わせると9355億円の売り越しで、1月第2週からの12週連続での累計売り越し額は過去最高の9兆3995億円に達していることからピークアウト感が出てきてもおかしくない。
物色面では、4月20日にマザーズに上場予定のHEROZ<4382>は人工知能(AI)を活用したインターネットサービスの開発会社で、前人気は非常に高く、この登場を控えて中小型株を中心とするAI関連への物色の強まりが予想される。
今週の主要スケジュールは、日本では9日朝方寄付き前に2月国際収支、大引け後に3月景気ウォッチャー調査が発表される。11日は2月機械受注と3月企業物価指数が朝方寄付き前に発表、12日は3月マネーストック、日銀地域経済報告がそれぞれ発表される。海外では、11日に米3月財政収支と3月開催のFOMC議事録、13日に中国3月貿易収支が発表予定となっている。
また、消費・小売関連を中心にした企業の決算発表も佳境を迎えることになる。9日は高島屋<8233>、10日はABCマート<2670>、11日はイオン<8267>、良品計画<7453>、ローソン<2651>、12日はファーストリテイリング<9983>、安川電機<6506>、13日は2月期決算の発表ピークとなり東宝<9602>など約106社が決算発表を行う。なかで、日経平均寄与度が高いファーストリテイリング<9983>の株価の反応は関心を集めることになる。