V奪還を期す勝負のシーズンとなる読売巨人軍で、若手のホープ・岡本和真(21)が開幕直後から“覚醒”し、周囲を驚かせる活躍を見せている。開幕からわずか4戦で両リーグ最速となる10打点に到達。その時点では打率4割超と、中日から移籍してきた昨年のホームラン王・ゲレーロ(31)を遥かに上回る“右の大砲”としての存在感を見せている。
ヤクルト、巨人、阪神で4番を打った広澤克実氏は、「この活躍は本物」と太鼓判を押す。
「昨年まではスイングの力がバットに伝わらず、芯に当たっても飛ばなかった。インパクトの際に体重がほとんど左足に移っていたんです。今年は右足に体重を残した状態で体を回転できるようになったため、しっかり捉えれば間違いなくスタンドまで届く。あのバッティングを見ているとシーズンを通しての活躍が期待できる」
同じく開幕から「2番セカンド」に吉川尚輝(23)が名を連ね、3日の中日戦で左手甲への死球による骨折で早々に戦線を離脱することになった陽岱鋼(31)の穴を埋めているのは立岡宗一郎(27)や中井大介(28)だ。
V9時代のエースで引退後はスカウトを長く務めた“エースのジョー”こと城之内邦雄氏が語る。
「チームの若返りは見ていて嬉しいですよ。昨シーズンの一、二塁間は阿部慎之助(39)とマギー(35)だったのが今年は20代前半の岡本と吉川ですからね。
さらに生え抜きの起用も増えた。開幕戦のスタメンに名を連ねた投手・菅野智之(28)、捕手・小林誠司(28)、一塁手・岡本、二塁手・吉川、遊撃手・坂本勇人(29)、右翼手・長野久義(33)はいずれもドラ1で獲ってきた選手たち。このメンバーで戦えているのだから、スカウト陣も嬉しいだろうと思う」