北朝鮮との直接交渉では出遅れた感のある日本。しかし、最高指導者・金正恩の生い立ちに詳しい「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏は、それでも日本ならではのアプローチがある、と指摘する。
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ターニングポイントを迎えた北朝鮮情勢において、日本だけが蚊帳の外に置かれる危惧が指摘されている。
北朝鮮メディアは、米韓とともに圧力を強めてきた安倍政権に対して次のように警告した。
「日本の反動層が分別を失って引き続き意地悪く振る舞っていれば、永遠に平壌行きの乗車券を購入できなくなりかねない」(3月17日付朝鮮中央通信論評より)
あえて北朝鮮が日本に対して言及するのは、今すぐではなくても日本との接触を模索していることを意味する。慌てふためく必要はない。今こそ北朝鮮に対して日本が独自につけ入る隙を見つける時が来たのだ。そもそも金正恩と日本の間には出自に関わる奇しき因縁があるのだ。
◆極秘来日していた金正恩一家
金正恩が他人名義のパスポートで極秘に来日していた!──筆者のもとにこんな情報がもたらされたのは、今から6年前の2012年だった。そして今年2月、それを裏付ける情報が出る。ロイター通信は、金正日と金正恩が不正に入手したブラジルのパスポートで西側諸国のビザ申請をしていたことをパスポートの写真とともに報じた。