現政権は強行採決を繰り返しているが、その強引なやり方に対し、反対勢力がいっこうに力をつけられずにいる。経営コンサルタントの大前研一氏が、国民民主党がなぜ支持率を伸ばせずにいるのかについて問題提起する。
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国民民主党という政党ができたことを覚えているだろうか? 1か月前に民進党と希望の党が合流した新党だが、時事通信社の5月の世論調査によると、政党支持率はわずか0.6%だった。
旧民主党は政権を失ってから四分五裂して離合集散を繰り返している。まず民主党が民進党になり、小池百合子・東京都知事によって希望の党との合流から「排除」された人たちが立憲民主党を結成、残った勢力が改めて希望の党と合流して国民民主党が誕生したのである。だが、民進党と希望の党の国会議員計107人のうち新党参加者は62人にとどまり、立憲民主党を下回って「野党第一党」にもなれなかった。
国民民主党というネーミングも噴飯ものである。同党だけでなく、自由民主党、民主党、立憲民主党と、いずれも「民主党」を名乗っているわけだが、そもそも民主主義国家において民主的でない政党などあり得ない。かてて加えて、今さら70年近く前にも存在して2年足らずで消えた国民民主党というカビ臭い名前を付けるのは時代錯誤である。