「悪質タックル」問題を巡って、日大が設置した「第三者委員会」は、結論を7月末まで先送りした。関学大選手への傷害容疑で捜査を進めているのは警視庁だが、捜査がスムーズに進むわけでもなさそうだ。
「調布署は指示をしたアメフト部の内田正人・前監督、井上奨・前コーチの事情聴取をする予定ではいますが、スポーツの試合中のラフプレーの立件は聞いたことがありません。世間の注目が高いとはいえ、明確に“私が指示した”と認めない限り、起訴どころか書類送検に持ち込めるかすら微妙なところです」(警視庁担当記者)
本来なら、内田氏らに対しては大学内で厳しい処分が下されそうなものだが、今のところ世間との“温度差”は大きい。
内田氏は大学の常務理事職、日本大学事業部の取締役については辞任したものの、人事部長と体育会の予算を差配する保健体育審議会事務局長については半年間の“出勤停止”となったのみ。半年後に復帰できる可能性すら残されているのだ。日大の元常務理事であるA氏は本誌にこう明かした。
「第三者委員会もどこまでやる気なのかわからない。結論を出す予定の7月末というのは、大学はもう夏休みに入っている。教員は学会や調査で海外に出る者も少なくないから、教職員組合が第三者委の結論への対応を協議するのも難しい。世間の関心が薄れるまでの時間稼ぎにさえ見える」
田中英壽理事長をトップとする体制は、外部からは不可解に思えるほど“強固”だ。A氏はこう続ける。