昨シーズンは最優秀防御率1.59をマークし、17勝をあげて最多勝、沢村賞に輝いた巨人のエース・菅野智之(28)。今季もすでに8勝をあげて防御率2.38という抜群の安定感だ(7月4日終了時点、以下同)。
ところが、そんな菅野を「カモ」にするバッターが球界に何人かいて、中には“なぜこの選手に?”と疑問に思うようなバッターも含まれているのだ。
たとえば、今季開幕から41試合に出場して打率.183、1本塁打と絶不調で、5月以降は一軍と二軍を行ったり来たりの“悩める若トラ”高山俊(25)である。
「3月30日の巨人との開幕戦で、金本(知憲)監督が高山の1番スタメン起用を決めたのは、昨年の対菅野の成績が7打数4安打(.571)と相性が良かったことが理由でした。高山は2回に適時打を放ち、菅野のKOに貢献。その後も二軍に落ちるまでの間に、対菅野にだけは8打数4安打(.500)と立派な数字を残していたから、本当に謎です」(担当記者)
ヤクルトでは6月下旬から1番に据えられた西浦直亨(27)が、菅野の「天敵」になりつつある。
「昨シーズンまでは全く打てなかった菅野に対して、今季は6打数3安打1本塁打と攻略している。終盤戦で巨人とCS進出を争う展開があり得るが、西浦が相手の絶対的エース攻略のカギを握ることになるかもしれない」(球団関係者)
年俸1700万円のバッターが、その30倍近い年俸4億5000万円を稼ぐ球界随一の投手を打ち崩そうとしているのである。プロ野球のデータに詳しいジャーナリストの広尾晃氏はこういう。