「60歳以上で多いのは、疲労で動けなくなるケースです。登山道に座り込んでいる人がいると聞いて、山荘の人と救助に行くこともあります。若い頃と同じつもりで、無理な計画を立てて登って来る人に多いですね。
あと持病のある人。登山中はエネルギーを使うので低血糖になりやすい。糖尿病の人は注意すべきです。また、3000m級の高山は酸素濃度が平地の70%程度しかない。血中酸素濃度が下がり、高山病の危険が増すので、心肺機能が衰えている人は気をつけた方がいい。登るなとは言わないが、事前に医師に相談してください」(齋藤氏)
取材・文■吉田ヒロミ(医療ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年8月3日号