新型車両の制作にあたって、職人気質の伊藤さんは100枚前後も写真撮影するなど気合を入れた。そんな職人魂が、精巧なGゲージ制作につながった。
Gゲージづくりは、やがて都電荒川線から日暮里舎人ライナーや江ノ電といった具合にバリエーションを増やしていく。
2011年に東日本大震災が起きると、被災した三陸鉄道の復興を祈願してGゲージの制作を開始。また、同年の新潟・福島豪雨によって線路が流出した只見線の早期復旧を願って、こちらでもGゲージを制作している。
現在でも、三陸鉄道久慈駅に36-100形気動車が、只見町役場にキハ40系気動車が展示されている。
伊藤さんが公式にOゲージを寄贈したのは、50か所以上。私的な寄贈も含めれば、100か所ほどになる。
伊藤さんは2018年に急逝。都電下町資料館でおこなわれている模型の運転や展示は、息子の朋行さんやのぞみ会の有志会員が引き継いでいる。
あらかわ遊園は施設の更新のため、今年11月末にいったん休園する。その間、下町都電ミニ資料館も休館になる。
下町都電ミニ資料館は、休園前最後の夏休みを迎える。ファンの、チビっ子の前に再び戻ってくるのは2020年の予定だ。