これでわかるように、このドラマをくるくる回しているのは、夢追い男たちなのである。30日の放送では、これまで地味~な存在だった100円ショップの店長(嶋田久作)まで「俺、ミュージシャン目指してたからさ」と夢追い男の過去を告白。しかも、一番、重要人物であり、鈴愛を振り回す涼次は、三十過ぎてまだ何者でもない状態。彼は言ってみれば、「青二才」であり、「青臭いやつ」。もひとつ言えば「尻が青い男」である。
朝ドラの名作『あまちゃん』のタイトルには、「アマチュア」「海女さん」「甘ちゃん」の意味が込められているとも言われた。『半分、青い。』のタイトルの「青い。」には、ひょっとすると、こんな夢追い男たちの「青さ」、モラトリアムという意味も込められているのか。朝ドラ史上、珍しい“ヒロイン夫妻の家庭不和”の予感。くるくるまわるドラマは、どう回っていくのか。まだまだ油断はできない。