放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、剛力彩芽との熱愛で何かと話題の『スタートトゥデイ』社長・前澤友作氏について。
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芸能マスコミからは、剛力彩芽と共に「浮かれている」と、どちらかといえば評判がよろしくない『スタートトゥデイ』前澤友作氏。
だが、先駆的な経営者として、また経済人として、そして男としての氏の評判は、すこぶるいいのである。
8月11日、『日経MJ』紙で「世界ブランドへの野望」と題したインタビューに答えていた前澤氏。サブタイトルには「S、M、Lでないもの作る」「ユニクロとビジネス違う」とあり、やや挑発的であるうえ何かにつけて「ユニクロ」の『ファーストリテイリング』を引き合いに出してくる記者に対し、前澤氏は最後まで冷静と読み取れた。
ちなみに、この記事は、新たなブランド「ZOZO」で参入するビジネススーツにまつわるもので、氏は「市場を調べたりしていない」「単純に自分が着られるスーツが欲しかった」「皆様にフルオーダースーツを届けたい」と。インタビューカットは、剛力とのラブラブショットとはまた異なる最高の笑顔だった。
体が小さい前澤氏は、既製のSサイズもXSサイズも「合わなくて」と、氏のビジネスポリシーの一つ、「自分が楽しめることをやる」の延長線上に、この企画があったと示唆。少し補足すると、氏は自動採寸スーツ&オーダーメード通販を掲げ、スーパーマンのタイツ的なもので測って、ピッタリのサイズの服を届けるというのだ。
それでも終始、「ユニクロ」と比較したがる記者に、「どうしてもユニクロと比較したいんですね。商品についてですか? ビジネスですか?」と言いつつ「ぼくがユニクロのビジネスについてどうこういうことはできない」「基本、違うことをやっていると思います」と説明。文字だけ追うと、ややキレ気味のようにも思えるが、前澤氏は、こんなことでキレるような人ではないらしい。
氏がSNS上の、いわゆるアンチにも寛大で、そこから学ぶことも多いとしていることはワイドショーやスポーツ紙も取り上げた。さらには「ぶっちゃけ教えてください」と、自身を「応援したい」か「応援したくない」か、アンケート調査まで行っている。約10万人が参加した結果は、7対3で「応援したい」が「応援したくない」を大きく上回った。
すると前澤氏は「それで本を出すことにしました」と。こうした氏の動向をみた“芸能部”(タレント)は、「やっぱり戦略的にみえる」「剛力彩芽ちゃんが利用されているのではないか」と受け取る者が多いし、庶民的な商材のCMに出演している剛力の今後の契約まで心配している者までいる。
しかし、剛力の所属事務所スタッフが「心配しているらしい」という声は聞こえてきても「激怒している」とは聞こえてこないのである。ある芸能関係者は、「オスカーの社長は、かつての“りえママ”のような思いなのではないか」と。つまり、「一流のものを見なさい。知りなさい。勉強してきなさい」ということだ。