たんぽぽ・白鳥久美子が、交際中の芸人から番組でプロポーズを受けた。生放送でのサプライズ劇に対し、祝福を寄せる視聴者もいる一方、SNS上では「食傷気味」といった声も見られる。テレビに欠かせないキラーコンテンツ「公開プロポーズ」に対する制作側の狙いとは?
白鳥がプロポーズを受けたのは8月26日、『24時間テレビ41 人生を変えてくれた人』(日本テレビ系)に出演中のことだった。交際4年のチェリー吉武が着ぐるみからいきなり姿を現し、「絶対に久美ちゃんを幸せにしてみせます」と求婚。白鳥もこれを快諾し、「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」とあいさつした。
『24時間テレビ』では去年も、茨城ゴールデンゴールズの選手兼監督の片岡安祐美が、元DeNA投手で5歳下の恋人・小林公太氏から公開プロポーズを受け、「お願いします!」と号泣しながら承諾していた。
◇公開プロポーズの源流は?
昔からプロポーズ企画はあった。例えば1973年から1985年に放送された『プロポーズ大作戦』(ABCテレビ)。大型の電光掲示板を挟んで男女5人が向かい合い、集団お見合いをする「フィーリングカップル5vs5」のイメージが強いが、番組の初期の頃はひそかに好意を寄せていた人に告白するという内容だった。告白するお相手は、取引先の受付嬢だったり、痴漢に襲われたところを助けてくれた見ず知らずの男性だったりさまざま。思いのたけを語った上で、番組が探し出したそのお相手が登場。秘めた胸の内を語るというものだった。
このような番組は2000年代にも確認できる。例えば、2002年から2年間、中居正広と草野仁が司会を務めた『別れてもチュキな人』(日本テレビ系、2003年4月から『ワカチュキ』に番組名変更)。自殺を思いとどまらせてくれた恩人にお礼を言いたい、いじめが原因で転校した親友に謝罪したいなど、さまざまな依頼の中もっとも多かったのが、恋愛相談。一度フラれてしまったがアタックしたい、旅先のバリで知り合った現地の男性を本気で好きになってしまったなど、恋に悩む人々が登場。相手に告白していた。
テレビに出る者は有名、無名問わず、どうしても視聴者の好奇の目にさらされ、時にはネガティブな反応を受けることもある。それでも、告白する人が強い意向を持って自ら番組に登場し、告白という行為がなされていた時代は、制作者の意図がどこにあるかは別にして、そこまで反感を買わなかったものと思われる。むしろ、その様子を温かく視聴者が見守るというスタイルができあがっていたのではないだろうか。
◇「単なる話題作り」と揶揄されるケースも