◆昨日、勝ったばかりなのに?
稀勢の里が237日ぶりの白星をあげた翌日(2日目)。新聞・テレビなど大手メディアで構成される記者クラブで、騒ぎは起きた。前出・担当記者がいう。
「2日目の午後2時頃だったと思います。協会広報部から、記者クラブの幹事社が呼び出されたんです。協会側から何か説明を受けていたのですが、戻ってきて話を聞いて驚きました。幹事社からは口頭で、“稀勢の里が引退を決めた場合、翌日に協会から正式に(記者クラブに対し)通達する。引退会見は国技館の大広間になると思われる”という内容の説明をされた」
初日を勝利で飾った直後なのに、場所中に引退することを前提としたような話を聞いて、首を傾げる記者は少なくなかったという。
「横綱が場所中に引退した際の段取りを周知されるなんて、記憶にありません。場所中であれば、普通は力士が部屋に戻ってから親方らと話した上で引退を決め、その時点で情報を掴んだ社があれば先んじて報じるし、流れでその日のうちに部屋で引退会見が行なわれることもある。今回は稀勢の里に注目が集まっているから、あらかじめ準備しておこうということだったのでしょうか」(同前)
協会広報部に改めて、引退会見の段取りの周知について聞くと、「(記者クラブに)通達した事実はありません」という回答だった。ただ、広報部が「稀勢の里引退」を見据えて動いていたのは明らかに見える。