新しく始まった連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合ほか)は、大阪が舞台。インスタントラーメンを生み出した夫婦の物語だ。ヒロインの福子を演じるのは、安藤サクラ(32才)。大らかで家族思いの彼女が1人の男性と出会い、結婚して成長していく過程を描いているが、このドラマ、これまでの朝ドラとはひと味違うんです。より楽しむための7ポイント、ぜひ、ご堪能ください。
【1】物語はヒロインが18才の時から始まる
朝ドラといえば、ヒロインの子供時代から描かれるのが定番。だが、今作では放送が始まった時点でヒロインは、すでに18才になっている。その理由について、制作統括の真鍋斎さんは、以下のように説明する。
「ドラマのモデルになっている、インスタントラーメンを開発した企業の創業者・安藤百福・仁子夫妻が、成功を収めるのは40代後半。そこまでの紆余曲折を丁寧に描くために、思い切って年齢設定を上げました。それで、演じる役者さんの実年齢も高めになっています」
【2】新人ではなく、実力派俳優を起用
今回のキャスティングはオーディションを行わず、ベテラン勢が多く出演している。
ヒロイン役の安藤サクラは、数々の映画賞を総なめにしている実力派女優。彼女の夫・萬平を演じる長谷川博己(41才)もその実力がかわれ、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公に抜擢されている。母親役の松坂慶子(66才)や次女役の松下奈緒(33才)など朝ドラ経験者の他、長女役の内田有紀(42才)、片岡愛之助(46才)、大谷亮平(38才)など朝ドラ初出演の実力派も多数登場し、濃厚なドラマを描いている。
【3】ドリカムが手がける主題歌はマーチ
主題歌を担当するのは、『ひらり』(1992年)の『晴れたらいいね』以来、2度目となるDREAMS COME TRUE。同一アーティストが主題歌を制作し歌うのは朝ドラ57年、計99作の歴史の中で史上初。
「脚本と映像の一部を吉田美和さん(53才)と中村正人さん(60才)に見てもらったところ、マーチのリズムがいいのではないかということで、メロディーはマーチになりました」(真鍋さん・以下同)
【4】萬平の発明品を見逃すな!
萬平の仕事は今でいえばエンジニア。新しい商品の発明や海外で生まれたヒットアイテムを日本で作り、売り出そうとする。
内容は幻灯機(スライド映写機)や、根菜を細かく切るフードプロセッサーなど、今ではおなじみの商品だ。幻灯機は福子との縁をつなぐ重要な役割をしている。
「萬平はこれらの商品だけでなく、製塩や金融業なども始め、ことごとく失敗していきます。そんな紆余曲折を経て生まれるのがインスタントラーメンなのですが、これも一筋縄では行かない、まさに、波乱万丈の人生です」