2年に1度開催される自動車の祭典、「東京モーターショー」──。早くも次回2019年の日程や概要が発表されたばかりだが、近年のモーターショーは世界の主要メーカーが相次いで不参加を表明するなど盛り上がりに欠け、“オワコン”とも囁かれている。そうした状況は他国で開かれるモーターショーでも同じようだ。現在行われているパリモーターショーを現地で取材したモータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。
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10月4日、今年で120周年を迎えるフランス・パリのモーターショーが開幕しました(10月14日まで)。正式名は「MONDIAL PARIS MOTOR SHOW」です。
ところが、参加する自動車メーカーの顔ぶれは驚きのものでした。なんと、フォルクスワーゲンが欠席。もちろんアメリカ・ブランドもボルボもいません。BMWとアウディは、本家ドイツではなく、フランスの現地法人からの出展。ドイツ勢で本国のCEOがやってきてプレスカンファレンス(記者発表会)をしたのは、メルセデスベンツのみという有り様でした。
日系では、日産自動車、三菱自動車、スバル、マツダが欠席。ホンダは出展しているものの、サイズはミニマム。アキュラとインフィニティの海外向け高級車ブランドは、主催者展示スペースに2台ずつぽつんとあるだけ。さらに、出展してはいるものの、プジョー/DS、トヨタ/レクサス、スズキはプレスカンファレンスも行いませんでした。
また、注目すべき世界初披露となる新型車は、日系でいえば、トヨタの「カローラ・ツーリングスポーツ」(日本名「カローラ・スポーツ」のステーションワゴン版)のみ。なんとも寂しい内容となったのです。
ちなみに欧州車では、メルセデスベンツが新型「Bクラス」と「GLE」、BMWが新型「3シリーズ」と「Z4ロードスター」「8シリーズ」、アウディが新型「Q3」を世界初披露。フランス勢はプジョーがコンセプトカー「e-Legendコンセプト」と新型「508SW」、DSが新型「DS3クロスバック」、ルノーが「EZ-ULTIMO コンセプト」を発表。少ないながらも重要なモデルもあり、まったくの新型車なしという状況は回避されました。