大都会を“コンクリートジャングル”と呼ぶ意味が変わるかもしれない。多くの野生動物が、都心で繁殖を続け、人間の生活に害をもたらしているという。
現代社会においては大都市こそ害獣が増えやすい──そう指摘する専門家は少なくない。日本野生生物リサーチセンター代表の里中遊歩氏の話。
「多くの野生生物にとっての天敵である『野犬』が都内や関東近郊で減ったため、野生動物が街へと降りて来やすくなってきていると考えられます」
ネズミやハクビシンといった野生生物が老朽化した空き家などを棲家としているケースは多いが、それ以外にも都内では害獣による被害や目撃例が相次いでいる。
◆歌舞伎町で「アブラコウモリ」
「アブラコウモリは、家屋の瓦の下や天井裏、換気口などに棲み着きます。人家なら天敵のイタチやヘビが入りにくいので安全なんです」(里中氏)
近頃では歌舞伎町に進出。大量のフンをするため、悪臭被害が出ているという。
「繁華街は夜間も灯りがついているため、アブラコウモリの餌となる昆虫が豊富なことが棲み着いた原因ではないでしょうか」(同前)